第171章

ロバック視点

息をするたび、鋭い短剣で肋骨を突き刺されるような激痛が走る。わずかに身動きするだけで、新たな苦痛の合唱が呼び覚まされた。俺はブラッドクローの地下牢、その冷たい石壁にもたれかかるようにして崩れ落ちていた。口の中には、鉄錆のような血の味が広がっている。湿った空気はカビの臭い、そしてそれよりも酷いもの――古びた血と絶望の臭気を漂わせていた。

ここにどれくらいいるのか、定かではない。数時間か、あるいは一日か。痛みの波が押し寄せるたび、時間の感覚など意味を失っていった。

意識がふと、カサックの顔へと戻る。怒りに歪み、俺の喉元を締め上げたあの手。その瞳に宿っていた激昂――あれは単に縄張...

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