第176章

フレイヤ視点

私はシルバームーン邸の評議室にある背の高い窓辺に立ち、中庭を見下ろした。そこにはブラッドクローの捕虜が五人。警備兵が絶えず周囲を旋回し、捕虜たちの手首は変身を封じる銀の鎖で縛られている。私の指がふとお腹へと伸びた。それは、かつて我が子が育っていた何もない場所を確かめる、どうしてもやめられない癖だった。あの空虚な喪失感は、数ヶ月経った今も消えることがない。

足音が聞こえるより先に、魂の絆を通してイーサンの接近を感じ取った。彼の感情が流れ込んでくる。決意、覚悟、そしてもっと硬質なもの――冷徹な審判の意志だ。重厚なオーク材の扉が開いても、私は振り返らなかった。

「じきに評議会が開...

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