チャプター 20

フレイヤ視点

私は長く奇妙な夢の中に囚われているような気がした。その夢の中で、私は何もない真っ白な空間にいた。身には何も纏っておらず、生まれたばかりの赤ん坊のようにありのままの姿で、汚れ一つない。辺りは静まり返り、空っぽで、心は穏やかだが、同時に無防備で晒されているような感覚があった。

すると、その白一色の世界から影が実体化するように、イーサンが現れた。彼は無言のまま近づいてくる。その動きは滑らかで、迷いがない。この夢の世界では、私が見慣れてしまった彼の瞳にあるはずの冷徹さは微塵もなかった。代わりにそこには飢えと、私の胸を激しく高鳴らせるさらに深い何かが燃え盛っていた。

彼が私の元へたど...

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