チャプター 21

フレイヤ視点

一歩踏み出すたびに、脇腹に走る銀の毒の痛みが、危うく命を落とすところだったあの罠の記憶を呼び覚ます。ノアの解毒剤とイーサンの治癒のおかげで毒の進行は止まっていたが、傷口はまるで焼けた炭火を肌に押し付けられているかのように熱を持っていた。私は歯を食いしばり、月明かりに照らされた森を突き進んだ。イーサンが触れた感触が肌に残っていて、それが慰めにもなれば、気を散らす要因にもなっていた。

「集中するのよ、フレイヤ」

私は自分に言い聞かせると、身を低くして柔らかい土に残された痕跡を観察した。

他の参加者たちが純粋に狼としての本能だけに頼る一方で、私は人間としての部分も活用していた。...

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