チャプター 27

フレイヤ視点

霧の森の入り口に、私は立っていた。冷たい朝の空気が服を突き刺し、身震いが止まらない。灰色の霧は濃く重く渦を巻き、ほんの数本先の木々さえも飲み込んでしまっていた。

昨夜、テントの外に現れた謎の人物のせいで、私は一睡もできなかった。襲い来る眠気と戦い、無理やり意識を保っていた。おそらくそれが奴らの狙いなのだろう。事故も起こさず、危害も加えず、ただ些細な手口で私の精神状態に影響を与えることだけが。

風化した顔に儀式の印を描いた年老いた人狼が、私たち全員の前に進み出た。その声は老齢にもかかわらずよく通り、人々の注意を惹きつける力があった。

「『霧の森は、我らが祖先がこの地を初めて...

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