チャプター 7
イーサン視点
思わず口から言葉がこぼれ落ちていた。戸口で立ち止まった彼女の華奢な姿を見つめる。蜂蜜色のブロンドヘアが、柔らかなウェーブを描いて背中に流れていた。その肩がこわばった様子に、なぜか俺の胸が不快に締め付けられた。
俺の中で、ローワンが落ち着きなく身じろぎした。俺の内の狼は、今夜ずっと苛立っていた。呪いを受けて間もない頃以来、経験したことのないほどに、心の中で行ったり来たりしながら唸り続けている。十八歳の時からずっと俺を苛んできたあの空虚な痛み――決して完全には消えることのなかった虚無感が、今夜は一段と鋭く、より強く存在を主張しているようだった。
フレイヤは振り返らなかったが、立ち止まった。それだけで十分だった。
深く息を吸い込むと、彼女の香りが鼻をかすめた。野花と朝露の香り。だが今は、それに何か別の、特定できない甘いものが混じっている。俺の狼が意識をこじ開けようと突き上げてきた。歯を食いしばり、無理やりそいつを抑えつける。
『制御しろ。冷静さを保つんだ』
呪いはもう五年もの間、俺の連れ合いだった。悲しみと怒りに歪んだ魔女の顔を、今でも覚えている。彼女の母親は俺の父の足元で絶命した。手を下したのは俺ではなかったが、その代償を支払うことになったのは俺だった。
「お前は真の番を見分けることができなくなる」彼女はそう吐き捨てた。その瞳は不気味な光で輝いていた。「番が目の前にいようとも、その不在による空虚さを感じ続けるのだ」
あの日以来、ローワンは満月のたびに落ち着きをなくし、俺たちには誰とも分からない何者かを求めて遠吠えを上げた。胸の内の空虚さは俺の一部となり、共に生きることを学んだ空白だった。
今朝までは。
彼女の部屋に入った時の、フレイヤの寝起きの乱れた姿が脳裏に蘇る。髪は顔の周りで無造作に乱れ、頬は眠りのせいで上気し、長い脚は丈の短いナイトシャツではほとんど隠れていなかった。一瞬、眩暈がするような感覚に襲われ、胸の空虚さが……揺らいだのだ。埋まったわけではない、完全には。だが、何かが変わった。
ローワンは彼女に向かってあまりに激しく突き進もうとしたため、俺はよろめきそうになったほどだ。彼女の首筋に顔を埋め、その香りを吸い込みたいという衝動は、ほとんど抗いがたいものだった。
俺はそれを、間近に迫ったライリーの帰還のせいだとした。俺の狼はただ、真の番の存在を予期しているだけなのだと、自分に言い聞かせた。それ以上のものではない、と。
だが今、俺が話すのを待つフレイヤの硬直した立ち姿を見ていると、その確信は揺らいでいた。
「どうしたの、イーサン?」彼女の声は抑制され、慎重だった。依然として、こちらを向こうとはしない。
俺は背筋を伸ばし、思考を重要なことに引き戻した。ライリーが帰ってきた。俺が待ち望んでいた女性、俺たちの絆を完成させ、あるいはこの呪いを解いてくれるかもしれない唯一の存在。集中すべきは、そのことだ。
「書類のことだ」俺は思ったよりも落ち着いた声で言った。「今夜、正式に離別の手続きを済ませたい」
今朝、彼女にその書類を手渡した時は、自制心との闘いだった。この三年間の関係で完璧に身につけた、突き放したような口調で話し、慎重に距離を保った。だがその間ずっと、ローワンは唸り声を上げて歩き回り、俺の一言一句に抗っていた。
彼女の静かな受容は……期待外れだった。反論や、もしかしたら涙や懇願があるだろうと予想していた。だが彼女は落ち着き払っていて、準備をする時間が欲しいとだけ言った。そのあっさりとした態度は、安堵すべきことだったはずだ。それなのに、奇妙な虚しさが残った。
彼女の部屋を出た後、俺はひどく動揺していて、冷静に考えるために冷たいシャワーを浴びる必要があった。そして、ライリーから電話があったのだ。
「イーサン!」彼女の声は興奮で弾んでいた。「お父様が今夜、歓迎のセレモニーを計画しているの。あなたも来てくれるわよね?」
彼女に会いたくて、俺はすぐに同意した。ライリーに会えば、この奇妙な不安も消え去るはずだ。彼女こそが俺の真の番――そうに違いない。呪いのせいで自力では番を見分けられないが、ライリーは分かっていたのだ。ヨーロッパへ発つ前、何年も前にそう告げられた。
ミスト・バレー・コテージまでのドライブも、俺の落ち着かなさを和らげてはくれなかった。近づくにつれ、ローワンは興奮も不安も見せず、珍しく静かだった。胸の空虚感は、馴染みの友のように居座り続けていた。
そして到着した、だが……何もなかった。ライリーが俺を抱きしめ、柑橘類とジャスミンの馴染みある香りが俺を包んだ。心地よい、だがそれだけだ。何年も前に彼女が語っていた、番の引力は微塵も感じられない。所有したいとか、守りたいといった衝動も湧いてこない。
俺は自分に言い聞かせた。これは良い兆候だ。自制心が強い証拠だと。
だがその時、フレイヤが入ってきた。
彼女が戸口に姿を現した瞬間、ローワンが激しく突き上げ、俺は飲み物でむせそうになった。彼女の香りの中に混じる新たな甘い香気が強まり、俺の中の原始的な何かを呼び覚ます。俺の身体は即座に、そして恥ずかしいことに反応してしまい、テーブルでの座り位置を直さざるを得なかった。
なぜ今なんだ? 三年間も同じ屋根の下で暮らし、ほとんど何の反応もなかったのに、なぜこんなことが起こる? 何が変わったというんだ?
フレイヤがようやく俺の方を向き直った。琥珀色の瞳には警戒の色が浮かび、唇は真一文字に結ばれている。「今夜? 家に帰ってから話し合うことはできないの?」
「だめだ」思ったよりきつい響きの言葉が出た。これを――これが何であれ――すぐに終わらせる必要があった。この混乱も、不適切な反応も、すべてを。「今ここで、けりをつけたい」
マーカスとエレナが食堂の戸口から俺たちを見ていた。その表情には好奇心と満足感が混じり合っている。ライリーは座ったまま、心配そうな仮面を顔に貼り付けていた。
「馬鹿げてるわ」フレイヤが俺にしか聞こえないように声を潜めて言った。「今、ここで話すことじゃない」
彼女の言う通りだった。俺は理性を失っている。今、ここで、しかも彼女の父親の家でこんなことを要求するなんて。その事実に気づき、冷水を浴びせられたような衝撃を受けた。俺はいったい何をしているんだ?
突然ローワンが激しく突き上げ、俺の身体がぐらりと揺れた。狼は――いや、要求していた――手を伸ばし、フレイヤを腕の中に引き寄せ、彼女の首筋に顔を埋めて慰めることを。その衝動の激しさに、俺は恐怖を覚えた。
「俺は……」狼の反応に混乱し、一歩後ずさると声がかすれた。「君の言う通りだ。これは……少し空気を吸いたい」
俺は背を向けた。心臓が胸の中で激しく脈打っている。俺の中で何かがひどくおかしい。頭を冷やさなければ。
「少し時間をくれ」俺は呟き、廊下のバスルームに向かった。「すぐ戻る」
安堵と、パニックに限りなく近い何かが俺の中でせめぎ合っていた。ローワンが抗議の雄叫びを上げ、俺の内側を激しく引っ掻くので、自制心を保つために拳を固く握りしめなければならなかった。
顔に冷たい水を浴びせ、その衝撃で頭を覚醒させる。火照った肌に当たる冷たさが、一時的にではあるが、ローワンの落ち着かなさを鎮めてくれた。鏡に映る自分――わずかに瞳孔が開いた銀色の瞳、こわばった顎――を見つめ、落ち着きを取り戻すまで何度か深呼吸をした。
ようやく蛇口を閉めると、廊下の向こうから鋭い叫び声と、何かが倒れる鈍い音が響いてきた。
「何があったの?」エレナの切羽詰まった声が響いた。
俺は音を追ってリビングへ向かった。足音は自然と速くなる。角を曲がった瞬間、目の前の光景に俺は歩みの途中で凍りついた。ライリーが床に倒れていた。青いドレスが脚の周りでたくし上げられ、膝のあたりの布地に黒い染みが広がっている。彼女の顔は苦痛に歪み、片手で負傷した脚を押さえていた。
血だ――彼女の傍に膝をつくと、紛れもない鉄錆びの匂いが鼻をついた。俺を庇って負った傷が再び開いたようだ。ドレスの下の包帯が血で濡れ通っている。
そして、その前にフレイヤが立っていた。
