第328話

私は空中を飛び、儀式の円の中に衝撃とともに着地した。震える手で体を起こし、感覚を研ぎ澄ませた。暗闇に包まれた人影が目の前に現れる。血の気が引いた。セリーン。

「まぁまぁ、ルーシー」彼女の声は蜜のように甘く、しかし毒を含んでいて、暗闇の中に滑り込んできた。「ついに簡単にしてくれて、ありがとう」

私は歯を食いしばった。戦わずに倒れるつもりはなかった。肩を張り、彼女の視線を受け止め、震えながらも毅然とした声で言った。

「私を甘く見ないで」

「いいえ、ルーシー」彼女の声は低くなり、残酷な笑みが唇に浮かんだ。「あなたこそ私を甘く見ている」

周りで詠唱が大きくなった。私はネックレスに飛びかかり、指...

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