第6章

 深夜のホテル。廊下は不気味なほど静まり返り、ただ空調の低い駆動音だけが、ブーンと響いている。

 私は大輔の部屋の前に立ち尽くしていた。まるで処刑台へと向かう罪人のような気分だ。心臓は破裂しそうなほど早鐘を打ち、掌は冷や汗でじっとりと濡れている。修治には言えなかった。彼を巻き込むわけにはいかないからだ。もし彼がチームメイトへの暴力沙汰で出場停止にでもなれば、チームは終わりだし、私のキャリアだって道連れになる。

 それに、これは元々、私が招いた不始末なのだから。

 私は深く息を吸い込み、奥歯を噛み締めながらドアをノックした。

 扉は、ほぼ瞬時に開いた。まるで大輔がドアのすぐ裏で待ち構え...

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