第111章

H市で初冬、最初の雪が降ったのは深夜だった。

暖房の効いたぬくぬくの部屋で、水原茜は浜原恵也に抱き寄せられたまま、心地よく眠っていた。目を開けると、窓の外は一面の銀世界。

そっと手を伸ばす。ひやりとした雪が掌に落ちてきて、水原茜は思わず目を細めた。

その動きに浜原恵也が真っ先に気づき、険しい顔で彼女の手を引き戻す。

「ちょっと雪で遊びたかっただけだよ」水原茜が言い訳する。

浜原恵也は両手で、すでに冷え始めている彼女の手を包み込んだ。

「水原茜さん。今、自分が夏用のパジャマ着てるって忘れてない?」

いきなり外に手を出すなんて、風邪をひく気満々じゃないか。

浜原恵也はクローゼット...

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