第130章

死体は崖下でばらばらに砕け、顔も判別できないほど潰れていた。警察署に運び込まれてから、ようやく法医が「組み立てた」のだという。

水原茜は一目見ただけで、口元を押さえた。吐き気が喉までせり上がり、あと一歩で戻しそうになる。

谷原は転落する前、ヘルメットを被っていた。だが頭の中身は、殻の中で潰れた卵みたいにぐしゃぐしゃで――とにかく、目を逸らしたくなるほど酷い。

比較的形を保っているのは四肢くらいで、それも胴体のそばに歪に寄せ集められているだけだった。

「……ご家族には連絡してないんですか」

水原茜は口を押さえたまま、無理やり吐き気を飲み込んで訊いた。

彼女も浜原恵也も、谷原本人をま...

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