第14章

そのひと言は、水原茜の胸ではなく、森田浩介の自尊心を真っ向から抉った。

森田浩介は彼女の手首を乱暴に掴む。骨まで砕くつもりかと思うほど、指に力がこもっていた。

「もう一回言ってみろ、水原茜。ずいぶん偉くなったもんだな?」

声は低い。だが、その奥では怒りがぐらぐらと煮え立っている。

そこへ、浜原恵也がいつの間にか現れた。

一歩踏み込み、森田浩介の手首にそっと手を添える。力任せではない。にもかかわらず、びりっと痺れるような痛みが走り、森田浩介の手がわずかに緩んだ。

「森田様、お酒が過ぎています。どうか節度を」

森田浩介は舌打ち混じりにその手を振り払った。だが視線は、水原茜から外さな...

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