第15章

「森田奥様は、みなさんがあなたたちみたいに――お金が何より大事だって、本気で思ってるんですか」

水原茜の言葉に、青木玉子の顔がすっと強張った。

「……何が言いたいの」

茜はテーブルの上の小切手を、そっと押し返す。指先の動きは驚くほど静かだった。

「私が最初に森田浩介さんと一緒になったのは、お金のためじゃありません。今、彼のそばを離れるのも、お金が欲しいからじゃない」

一拍、置く。

青木玉子の品定めするような視線を、真正面から受け止めたまま――茜は一語一語、噛みしめるように言った。

「森田家に嫁ぐつもりなんて、最初からありませんでした。前も、今も、これから先も。だから奥様のご心配...

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