第17章
別荘のリビングは、足の踏み場もないほど荒れ果てていた。
水原茜は大理石の床にしゃがみ込み、視線を転がった木珠へ落とす。
手を伸ばす。指先がささくれに触れた瞬間、木の棘が人さし指の腹に突き刺さり、ぷつりと血が滲んだ。
彼女はティッシュを数枚持ってきて、砕けた木片と木の粉を少しずつ寄せ集め、そのままコートのポケットへ押し込む。
「水原茜、死んだふりしてんじゃない!」
森田浩介は涼宮佳奈を横抱きにし、茜を指さした。
「涼宮佳奈に何かあったら、ただじゃ済まさねえぞ!」
「まさかお前が、こんなに性根が腐ってるとはな。人の命がかかってんだぞ!」
水原茜は立ち上がる。膝についた埃を払って、...
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