第27章

「そんなに足早に行かなくてもいいだろ。せっかく向こうから挨拶しに来たのに、その態度はちょっと冷たすぎないか?」

浜原恵也も足を止め、手を離した。

「じゃあ、どんな態度を取れっていうんだ?」

「腐れ縁の幼なじみで、しかも想い人なんでしょ」

水原茜は小声でぼそりと続ける。

「家の事情で結ばれなかったのに、今はあんたが別の人と結婚するんだよ。あっちだって、そりゃつらいでしょ。私、さっきも言ったけど、二人のことに口出すつもりないから」

浜原恵也は彼女を見つめ、眉を寄せた。

「誰があいつを俺の想い人だなんて言った」

「みんなそう言ってるじゃない」

水原茜は悪びれもせず言い返した。

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