第28章

私立探偵事務所の応接室で、所長は森田浩介に襟首を掴まれ、腰が抜けたように膝を震わせていた。声は半泣きで、ほとんど叫びに近い。

「も、森田様……本当に、うちのせいじゃないんです! 涼宮さんが……倍の報酬を出すからって、彼女が用意した原稿どおりに、調査報告書を偽造してほしいって……」

「それに、あの方が言うには……森田様は、こういう「結果」が見たいんでしょうって。だからご希望どおりに、って……」

森田浩介が手を離すと、男はその場にへたり込み、全身をぶるぶる震わせた。

森田浩介は、自分がどうやって事務所を出たのか覚えていなかった。車を走らせても行き先が決まらない。街を彷徨った末、結局、あの...

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