第42章

水原茜の瞳に宿る警戒は、針みたいに鋭くて――森田浩介の胸を容赦なく突き刺した。

かつては甘いほどの情が滲んでいたその目には、いまはもう「用心」しか残っていない。

森田浩介は眉をひそめると、反射的に手を伸ばし、水原茜の手首をつかんだ。

「っ……!」

水原茜は力任せに振りほどき、慌てて二歩、後ろへ下がる。背中がほとんど車体に触れるほどだった。

「言っとくけど――どこから私の居場所を嗅ぎつけたのか知らない。でも、これ以上しつこく付きまとうなら警察呼ぶから!」

別れたのに元カレに絡まれるなんて、どんな女にとっても悪夢だ。

水原茜の頭の中で警報が鳴りっぱなしになる。いまはただ、一秒でも早...

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