第58章

森田浩介は黙ったまま。だが、その表情がすべてを物語っていた。

彼は陰りを帯びた目で浜原恵也を二秒ほど見据えてから、ようやく口を開く。

「森田とノアの提携で、浜原様が代理で契約に署名する……それは筋が通らないんじゃないですか」

本来なら、水原茜というノアの社長が都合で出席できないにしても、代わりに来るのは他の役員のはずだ。

浜原恵也はノアの人間ではない。なのに、なぜここにいる。

水原茜は三年一緒にいても、自分が水原家のお嬢様だなんて一言も漏らさなかった。

それなのに浜原恵也は、付き合ってどれほど経ったというのか――もう、こんな重要な契約に代理で署名できる立場にいる。

森田浩介の胸...

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