第80章

入札の件はすべてプロに任せ、水原茜がやるのは最後の決裁と確認だけだった。

入札当日、水原茜はわざわざ真紅のロングドレスを選び、髪は耳元でふわりとまとめている。

艶やかで、シンプルで、それでいて攻撃的。

見下ろすような傲慢さが滲んでいて、一目で「面倒な相手だ」とわかるタイプだ。

彼女は鈴野寧々と鈴川薫子も連れて行った。女三人いれば、場は十分に締まる。

鈴野寧々がボディガードを二人連れてきたのを見て、水原茜は少し首をかしげる。

「私たち、入札に来たんだよね? 喧嘩しに来たわけじゃないのに、そこまで人を連れてくる?」

鈴野寧々はくすっと笑った。

「万が一ってあるでしょ。仕様書も分厚...

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