第82章

森田の人間だけじゃない。開札に参加していた他社の責任者たちまで、揃って言葉を失っていた。

ノアがあの手この手で森田を潰したのは、彼らにとっては強力な競合が一社消えたのと同じだ。内心ほくそ笑んでいたというのに、まさかここへ来て――森田がまた舞い戻るなんて。

涼宮佳奈の反応は早かった。慌てて年配の係員二人に指示し、掲げていた横断幕をさっと回収させる。

事前に用意はしていなくても、入札書が提出されている以上、まだ勝負は終わっていない。

背水の陣。勝てないとは限らない。

森田浩介もようやく落ち着きを取り戻し、涼宮佳奈と並んで席に戻った。静かに、開札を待つ。

「森田の入札書に不備があります...

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