第120章 どうしたんだ

夜は墨を流したように暗く、山荘はしんと静まり返っていた。梢がさわさわと揺れ、その影が窓ガラスにぼんやりと映り込む。

星野美咲と水原宇一はベッドに横たわり、ぐっすり眠っていた。

そのとき、不意に小さな物音がした。

水原宇一ははっと目を覚まし、額をこすりながら身を起こす。掛け布団がするりと滑り落ち、爪で引っかいたような傷の残る広い胸元が露わになった。

何気なく窓へ視線を向けた瞬間、彼の顔から血の気が引く。

窓に、人がいた。

その人影は窓の外にぶら下がるように浮かび、ぴくりとも動かず、ただじっと彼を見つめている。

水原宇一は息を呑み、ベッドサイドへ飛びついて明かりをつけようとした。だ...

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