第122章 なぜ今まで何も起きなかったの

小林健太と佐藤辰淵が玄関口を固めていると、背後から佐藤大奥様が現れた。辰淵は即座に言い切る。

「おばあさまはお部屋へ。いま外へは出られません」

たとえ外へ出なくても、庭が修羅場になっているのは一目で分かった。

どこから湧いたのか、黒装束の連中が庭で暴れ回っている。佐藤奥さんと中村さんが警護の面々を率い、必死に応戦していた。

見なくても分かる。拳と蹴りがぶつかり合う鈍い音だけで、背筋が冷たくなる。

門の外側には佐藤義哉が立っていた。取りこぼしが近づけば、容赦なく仕留める構えだ。

それでも、状況は楽観できない。

大奥様は手厚く守られて生きてきた。こんな血なまぐさい光景など見たことが...

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