第129章 毒を盛る

スープは半分が無理やり喉へ流し込まれ、残り半分は彼女の襟元にぶちまけられた。

その場にいた全員が、ぎょっとして後ずさる。

誰かが小さく呟いた。

「前も……たしか、こんなことしてたよな……」

姫野和は止めに入ろうとしたが、音無佑亜と佐藤義哉に左右から肩を押さえられ、結局その場で見ているしかなかった。

スープを飲み干した大田玲子は、床に膝をついてげほげほと咳き込む。器の中にあるときは、濃厚で旨そうな匂いがしたのに。

服にこぼれた途端、鼻につく生臭さだけが残った。

堪えきれず、泣きながら叫ぶ。

「ひどすぎる!」

星野星は取り合わない。給仕を終えた手をぱんぱんと払うと、何事もなかっ...

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