第140章 迷惑はかけない

三秒後、彼女は大股で階段を上がった。

辻谷寧々は一瞬きょとんとし、慌てて追いかける。二人はそのまま医聖の部屋へ向かった。

――もぬけの殻。

布団はきっちり畳まれ、触れられた形跡すらない。

辻谷寧々は呆然としたまま、「……いなくなったの?」と声を漏らす。

星野星は呆れて笑ってしまった。

「最初から気づくべきだった。あの人が理由もなく、面倒を私に押しつけるわけない」

たぶん昨日の時点で、逃げる準備はできていたのだろう。

それに気づかなかった。自分が。

「じゃあ、これからどうするの?」辻谷寧々は、さすがに同情した。医聖が消えた以上、星野星が矢面に立たされるのは目に見えている。

...

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