第144章 玉仏

辻谷さんは大きな高麗人参を箱に収めると、その箱を辻谷寧々に手渡した。

「大事に保管して」

辻谷寧々はこくこくとうなずく。

「うんうん!」

辻谷浅乃が堪えきれずに言った。

「同じ贈り物でも、お姉ちゃんにとっては結局“物の値段”でしか測れないの?」

「違うわ。気持ちで測るの」

「この人参は真耶が必死で競り落としたのよ。あなたにもらったのより小さいかもしれない。でも、どうして“気持ちじゃない”なんて言えるの?」

「私に気持ちがあるなら、私の誕生日の席であんな真似はしない」

辻谷さんは明らかに機嫌を損ねていた。誕生日の宴は危うく台無しになるところだった。

それに、いちばん大切にし...

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