第148章 嫉妬する必要がない

星野星は唇の端をわずかに持ち上げた。

「嫉妬するようなこと? あなたが最初に心を動かされた相手って、あの夜いっしょに過ごした人じゃないの?」

佐藤義哉は、どうしてその二つが結びつくのか一瞬わからなかった。頭の中がぐちゃぐちゃで、反射的にこくりとうなずいてしまう。

――いや、まずい。

「たしかに一瞬だけ、そういう気持ちになった。でも今はもう忘れた。今の俺は、ただ……」

唇をきゅっと結ぶ。

意地でも、口にしたくなかった。

星野星が眉を上げる。

「へえ、もう忘れたんだ。残念。私の魅力、足りなかったみたい」

「……どういう意味だ?」

佐藤義哉の間の抜けた顔を見て、星野星は堪えきれ...

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