第159章 これも分かるのか

校長夫人はぱっと顔をほころばせた。「あなた、これも分かるの?」

「少しだけ」

星野星には、かつて知り合った年上がいる。あらゆる楽器に通じた人で、箏もその人から教わった。

しかもその年上は、楽器の修理や補修までやたらと上手かった。

本人いわく、楽器は自分の子どもみたいなもの。大事にしまっておくべき存在で、壊れたからといって他人に預けるのは落ち着かないのだ、と。

要するに独学で腕を磨いた人だった。

校長夫人は大切そうに抱えていた箏を、すっと星野星の前へ押し出す。「じゃあ、お願いね」

星野星は左右を見回す。「道具はありますか」

「ないわ。借りてくる!」

校長夫人は有言実行というか...

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