第68章 大変だったね

星野星はため息をつき、東村西の足元へちらりと目をやった。

「ここまで誘い込むの、ほんとうに大変でした」

東村西ははっとして足元を見る。そこにある地面は、ほかと何ひとつ変わらない。

だからこそ、星野星に近づいたのだ。罠がないと確かめたうえで。

「お前、いったい何をした?」

声には、じわりと崩れかけた色がにじんでいた。毒にやられたのではないか――そんな恐怖が胸を締めつける。彼は爺様と師匠の前で誓いを立てていた。

もし今回の任務に失敗したら、自分はどうなるのか。

考えるだけでもぞっとする。

「こいつを捕まえろ!」

怒鳴り声が山中に響く。

「興奮しないほうがいいですよ。体内の毒の...

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