第76章 役立たず

「私に毒を盛ったこと、恨んでる?」

「知った直後は恨んだ」東村東は、さっきまでのジェットコースターみたいな心の上下を言葉にできなかった。落差が大きすぎて、いまは何も考えたくない。

「でも、一つだけ分かった。あんたが本気で俺を殺そうと思えば、簡単だった。そもそも先にちょっかい出したのはこっちだしな。あの場で俺を毒で殺さなかっただけでも、手加減してくれたってことだ」

星野星は否定も肯定もしない。

東村東の目が翳る。

「俺は必死に動いて、あいつの厄介な敵を潰すために力を尽くした……なのに結局、あいつの目には俺もただの役立たずのガラクタだった」

「あいつ?」

東村東の瞳が重く沈む。

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