第93章 みんな大物です

しかも――見間違いでなければ、ゴーストは最初から最後まで、ほとんど身じろぎひとつしていなかった。なのに彼女のロボットは動いている。まさか、操作すら要らないのか?

顔を紅潮させた男が叫ぶ。

「これがゴーストだ! これが破滅だ!」

この界隈と無縁だった連中も、ようやく腑に落ちたのだろう。ゴーストが入場した瞬間、なぜ選手たちがあれほど身構え、観客があれほど沸いたのか。

なるほど――そういうことか。

歓声が渦を巻くなか、星野星のロボットは音もなくフィールド端へ歩き、フェンス越しに主を見上げるように立った。

目はない。頭部に埋め込まれた二つの赤い点――動体も静止物も捉えるセンサーだけが光っ...

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