第101章

目黒千音が中へ入った瞬間、応接間にいた人々の視線がいっせいに彼女へ集まった。何が起きたのか理解するより早く、立花大奥様が手招きする。

千音は素直に歩み寄り、その隣へちょこんと腰を下ろした。

「すみません、お義母さま。道が少し混んでいて、遅くなってしまって」

立花大奥様は目尻に皺を寄せ、嬉しそうに笑う。

「いいのよ。来てくれただけで嬉しいわ。どれだけ待っても構わないもの」

目黒千音は立花一夜とは違う。立花一夜はまるで親孝行をしない。仕事仕事で、年寄りの自分に顔を見せることすら滅多にないのだ。

だからこそ立花大奥様は、千音のことがどうにも気に入っていた。なにより彼女は、立花一夜が自分...

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