第106章

目黒千音は我に返り、酒井爽の後を追ってゴルフ場へ入った。

キャディがボールをセットする。酒井爽の腕前は見事で、まるで打つたびにカップへ吸い込まれていくみたいだった。

一方の目黒千音は、その真逆だ。そもそもゴルフが好きじゃない。フォームはそれなりでも、肝心のボールがまるで入らない。

酒井爽が笑って言う。

「君、俺の後輩にそっくりだ。スイングは綺麗なのに、経験が足りない。何回か回ればすぐ良くなるよ」

目黒千音は苦笑して肩をすくめた。

「勘弁してください。数ホール回っただけで、もう汗だくです」

口にしてから、彼女自身が一瞬だけ固まる。

自分は本来、初対面でこんなふうに砕けた言い方を...

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