第118章

飛行機でS市までは二時間。目黒千音も篠原小雨も、機内に乗り込んだ瞬間に眠りに落ちるタイプだ。イヤホンとアイマスクを装着し、そのまま着陸まで一気に寝る。

ホテルで荷物を片づけると、千音はノートパソコンを取り出し、闇サイトに潜って目黒林夫の足取りを洗い始めた。

指の動きは速い。画面を埋め尽くす情報が流れ、ほどなくして、目黒林夫の現在地がはっきりと浮かび上がる。

小雨がまた感嘆の声を漏らす。

「千音、なんでハッカーにならないでデザイナーなんてやってるの? その腕、下手な“玄人”よりずっと上だよ」

千音はただ、ふっと笑っただけで答えなかった。

かつて国際的なハッカー同士の対決で勝利したこ...

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