第122章

目黒千音はバッグからマスクと眼鏡を取り出し、手早く身につけた。ナイトクラブに、あくまで普通の客を装って入るためだ。

入口で、目黒千音は篠原小雨に外で待つよう告げた。だが小雨は納得しない。

「千音、一人で入るつもり? それはダメだよ」

こういう厄介ごとを、彼女はなぜか見逃したくないらしい。目を輝かせて、少し興奮気味だ。

目黒千音はため息をつく。いい話でもないのに、どうしてそんなに楽しそうなのか。

入口に立つ背の高い黒服の警備員をちらりと見て、目黒千音は声を落とした。

「中が危ないかもしれない。あなたは外で待機して。三十分たっても私が出てこなかったら、警察に通報して」

ナイトクラブ...

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