第147章

目黒思月は顔色を変え、歯を食いしばって立ち上がると、目黒善信と家政婦を伴って二階へ上がっていった。

それから三十分後。

豪奢な目黒邸の玄関先は、たちまち騒然となった。

目黒林夫が寝室の金庫を持ち出そうとしたところを、目黒千音が連れてきた人間に手刀で制される。

無表情のボディガードが、事務的な口調で告げた。

「目黒会長の許可があるのは、私物のみです」

「これは俺の私有財産だろ!」

目黒林夫が食ってかかっても、ボディガードは前に立ちはだかったまま、唇を結んで動かない。だが、その強硬な態度が答えだった。

二階の言い争いに気づいた目黒千音は、部屋の扉を押し開けるなり、金庫を抱えて食い...

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