第148章

本家の片づけに回した人員なら、だいたい二時間もあれば終わるだろう。その間に、自分の荷物を運び戻してしまえばいい。

目黒千音が大きなスーツケースを二つ提げて別荘の玄関に立ったとき、屋内はすでに見違えるほど整っていた。大掛かりな改装まではしていないものの、カーテンやテーブルクロスといった小物が新調されている。

以前の、金の模様がこれでもかと主張する豪奢さとは違う。海の色を思わせるブルーのカーテンとクロスが、足を踏み入れた瞬間から、外側の緊張をほどいて内側へと染み込んでくるような、軽やかな心地よさを運んできた。

目黒千音はそっと目を伏せ、荷物を壁際に置く。すぐに使用人が近づき、手際よく預かっ...

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