第150章

立花家の宴会ホール。

「おばあさま、今日は何かおめでたいことでも? こんな『お祝いの席』なんて、久しぶりじゃありませんか」

招待客が次々と入場し、年配の奥様方はこぞって立花大奥様のもとへ集まった。

けれど目黒千音に向けるときの、あの柔らかな慈愛とは違う。

立花大奥様の口元には淡い笑みが浮かんでいるだけで、表情は穏やかなのに、長く上に立つ者だけが纏う威圧が滲んでいた。

「家の若い者に、少しばかり慶事がありましてね」

あえて言い切らず、含みを残す。

それだけで場の好奇心は煽られ、奥様たちの目が一斉に輝いた。

「若い者……?」

ある奥様がぱっと顔を明るくしたが、すぐに眉を寄せる。...

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