第18章 W・Sのスポークスパーソン

目黒千音が颯爽と新谷グループを辞めた途端、社内はまるで大黒柱を失ったみたいに揺らいだ。

新谷浩辰は仕事でも何もかも噛み合わず、トラブルが次から次へと湧いてくる。

とりわけ、新製品発表会の準備が最悪だった。想定外の連続で、彼は文字どおり火の車。

かつて千音の手で整然と回っていた業務が、今は糸の切れた凧のように散らかり放題で、頭痛の種になっている。

散らかったオフィスで椅子にもたれ、こめかみを揉む。

ふいに、脳裏をよぎったのは目黒千音の姿だった。

「……くそっ」

苛立ちまぎれに髪を掻き、少しだけ迷ってからスマホを手に取る。

そして、千音に電話をかけた。

一方その頃。

千音は篠...

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