第76章 さすが千音

正午どき。木漏れ日がまだらに揺れ、通り沿いの洒落たレストランの外壁をやわらかく照らしていた。

目黒千音はすでに席を押さえ、親友の篠原小雨を待っている。

ほどなくして、小雨が軽い足取りで店内へ入ってきた。

「小雨、こっち」

千音は彼女の姿を見つけるなり手を上げ、立ち上がって迎えた。

「小雨、今回は本当に助かった」

席に着くと、千音はそっと小雨の手を握る。隠しようのない嬉しさが頬に浮かび、見ているほうまでつられてしまいそうだった。

「うちらの仲でしょ。お礼なんていらないって。で、なに? いい話でもあるの?」

小雨が笑って促す。千音のこのテンションなら「結婚するの」だと言われても、...

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