第83章

結局、目黒千音は問いただしたい衝動をぐっと飲み込んだ。

まだそこまで踏み込める関係じゃない。立花一夜が手を貸してくれただけでも十分すぎるほどだ。

立花家の力を笠に着て威張り散らすつもりはない――けれど、彼女ひとりの力だけで木下家を潰すのは不可能に近い。

「この証拠、持ち帰ってもいい?」

立花一夜は肯定も否定もせず、わずかに頷いた。そもそもそれは、彼女のために用意されたものだ。

部屋へ戻るなり、目黒千音はノートパソコンを開き、長らくログインしていなかったダークウェブに潜って木下家の秘匿情報を漁り始めた。

深夜、立花一夜は会議で別荘を出た。――むしろ都合がいい。千音は夜通し机にかじり...

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