第85章

目黒千音は彼に笑わされてしまい、肩をすくめた。

「目黒さん。まさか小島玲が何をやらかしたか、知らないわけじゃないですよね? 拘留されたのは自業自得です。まだ判決も出てないのに外に出したら、社会にとって危険じゃないですか」

目黒林夫は、彼女が頑として譲らないのを見ると、ふいに薄気味悪く笑った。

その笑い声だけで背筋が冷える。

「目黒千音。この二日、さぞ辛かっただろう?」

胸の奥に嫌な予感が湧き上がる。千音は警戒を強めた。

「……何を知ってるの?」

父娘と呼ぶにはあまりに薄い関係だ。彼が彼女を気遣うはずもない。まして祖父の容体など、気にかけるはずがない。

可能性は一つしかない――...

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