第96章 自殺

目黒千音は一瞬きょとんとしたが、すぐに理解した。外祖父は――彼女に返事をしたのだ。きっと声は届いている。ただ、まだ目を開けられないだけ。

胸の奥がぱっと明るくなる。病室を出る際、入口のボディガードに念を押した。

「医師と看護師以外、誰も病室に近づけないで」

「奥様、ご安心ください。爺様の安全は必ずお守りします」

これだけの人員がいれば、辻永は収監された。目黒林夫も、しばらくは迂闊に手を出せないはずだ。目黒思月は少し肩の力を抜いた。

――ところが。

西別荘へ戻る途中、いきなり人影が前に立ちはだかり、髪を乱暴に掴まれた。

「目黒千音、このクズ!」

目黒思月だった。髪を引きちぎる勢...

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