第121章

ニコル

ブランチを終え、ウェイターに支払いを済ませると、JPと私は席を立った。立ち上がった途端、ミモザが効いてきたのがわかった。頭がふらふらして、まともに歩けない。JPが私の腕を組んでくれた。「大丈夫、支えてるから」。「ミモザ、あんなに飲むんじゃなかった。JP、私、酔っちゃった」。「心配するな。家までちゃんと送り届けるから」。「だめよ、あなたは帰って寝ないと。今夜は仕事でしょ。私のスマホでニコラスに電話して」。JPは私をロビーまで連れていき、ソファに座らせてから私のスマホを手に取った。彼がニコラスの番号にかけると、一方的な会話だけが聞こえてきた。「いや、JPだ」。「いやいや、彼女は大丈夫だ。...

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