第140章

ニコラス

部屋から出てきたニコルは、満面の笑みを浮かべていた。「そのアイデア、気に入ってくれたみたいだな」。俺がそう言うと、彼女は俺の首に腕を回してキスをした。「すごく気に入ってくれたわ。ルーサーは何て?」「まず慈善団体の名前が必要だって。それから、活動拠点となる住所も。その二つが最重要事項で、それさえあれば書類仕事を進められるそうだ」「そっか、名前ね……。難しいわね」とニコルは言った。俺たちは二人でニッキのいるところへ向かい、腰を下ろした。「何の名前が必要なの?」彼女は俺を見ながら尋ねた。「困っている女性を助けるための慈善団体を始めようと思ってるんだ」「女性? ママが私を妊娠してたときみた...

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