チャプター 169

ニコラス

俺はニコルの手を取り、まっすぐキッチンへ連れて行った。イザベラが俺たち二人を見ているのが分かった。何事かと聞きたそうな顔をしている。「イザベラ、ニコルに何か食べさせないと」「ええ、もちろんよ。ニコル、何が食べたい?」。俺はもう我慢できなかった。誰かに話さなければ。そして、最初に目に入ったのがイザベラだった。「妊婦が吐かずに食べられるものなら、何でも」。ニコルが俺を見て微笑んだ。どうせ俺が秘密にしておけないと分かっていたのだろう。イザベラは俺とニコルを交互に見て、「本気?」と尋ねた。「ああ、イザベラ、ニコルは妊娠したんだ」。興奮を抑えきれず、俺はイザベラを抱き上げてしまった。「この家...

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