第173章

ニコラス

電話を切ったとき、アントンとはもう終わりだと分かった。俺は急いでラップトップに向かい、ジェイソンとルーサーにメールを送った。アントンからの電話は無視するように、と。俺たちは袂を分かったのだ。立ち上がると、封筒が目に入った。ニッキーの姓を変えるための出廷日が記された、あの封筒だ。ここ数日、色々なことがありすぎて、ニッキーにそのことを話す時間さえなかった。だが、今こそ絶好の機会だ。それに、俺も何か気分が晴れるようなことが必要だった。彼女の部屋に着くと、ニコルとニッキーが話しているのが聞こえた。そして「生理」という単語が耳に入り、今この部屋に入るべきではないと悟った。だから、ドアの外に立...

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