チャプター 19

ニコル

ニコラスの腕の中に戻れたのは、本当に気持ちが良かった。ほんの一、二分だったけれど、たまらなく恋しかった。

医師がやってきてニッキーの病状を告げた時、私は心配と同時に安堵もしていた。簡単な手術で治るものだと分かり、彼女は大丈夫なのだと。それにしても、ニコラスが次々と質問を投げかける姿には感心させられた。何年も前に彼から逃げ出した自分が、間違っていたのかもしれないと感じさせられた。でも、今となってはどうすることもできない。私ができるのは、自分の決断の裏にあった理由を説明し、そこからどうするかを考えることだけ。彼は今以上に私を憎むか、あるいは理解してくれるか。もちろん、理解してくれることを...

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