チャプター 197

ニコラス

ニッキーが自室へ駆け込むと、俺は書斎へ向かった。いくつかやらなければならないことがあったし、指輪を金庫にしまう必要があったからだ。指輪を無事金庫に収めてから腕時計を見ると、すでに午後六時を過ぎていた。ニコルはまだ帰宅していない。俺は彼女に手早くメッセージを送った。「ハニー、どこにいるんだ? もう遅い時間だぞ」。彼女のことが心配になってきた。一分も経たないうちに、彼女から返信があった。「今、家に帰る途中だけど、交通渋滞がひどいの。あなたとニッキーは先に食事を済ませてて」。彼女抜きで食事をする気にはなれなかった。「君を待ってるよ。でも、ニッキーにはちゃんと食事をさせて、準備もさせておく...

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