第二十章

ニコル

ニッキーのあの態度には、もう笑えないくらいウンザリしていた。昨日の夜、このことについて全部話したっていうのに、今日になったらまた元通りなんだから。とは言っても、ニコラスとニッキーがお互いを見つめ合う様は、間違いなく彼の娘だと分かるものだった。先に相手が折れるのを待っているのだ。ただ問題は、ニッキーの相手が悪いということ。ニコラスが先に視線を逸らすことなんて絶対にない。今までもそうだったし、これからもきっとそうだろう。私はラウンジに座り、二人の会話をなるべく聞かないようにしていたけれど、ニコラスがケヴィンの真実を彼女に話すのかどうか、気になって仕方がなかった。あんな子にそんな情報を打ち...

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