チャプター 211

ニコラス

俺はデスクに座り、問題の解決策を考えようとしていたが、思考は堂々巡りだった。チャリティを利用するのはいい手かもしれないが、裏目に出る可能性もある。別の案も浮かんだが、ニコルがそれに乗ってくれるかは分からなかった。ちょうど立ち上がって彼女のところへ相談しに行こうとした、その時だった。彼女が俺のオフィスに入ってきたのは。「ニコル、ちょうど今、君を探しに行こうとしてたんだ」「どうして? ルーサーが何か?」「ああ、彼はダメージコントロールをしたがってる。そのためにチャリティを使いたいそうだ」「なるほど、なんとなく分かるわ。私たちのチャリティにとっては無料の宣伝にもなるしね」「そこまでは考え...

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