チャプター 216

ニコル

あんなに早く医者と手術室に向かったのは、生まれて初めてだった。ドミニクは緊急帝王切開をしなければならなかった。というか、ミアはまだ意識不明で、たとえ目覚めていたとしても、自力で赤ちゃんを産むことなんて到底無理だっただろう。彼女の体は今夜、あまりにも多くのことを経験しすぎたのだ。JPも手術室に付き添っていた。ドミニクは何度か彼に外に出るよう言ったが、彼は拒否した。自分の患者だからここに残るとドミニクに言い張ったのだ。結局、ドミニクもこれ以上言い争っている暇がないほど、事態は切迫していた。ドミニクは麻酔科医を呼び、ミアが何も感じないよう、万全の処置を頼んだ。麻酔科医からゴーサインが出ると...

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